どうも。くれとむです。
2023年3月5日にAWS認定DevOpsエンジニア-プロフェッショナル(DOP-C01)にスコア833点で合格しました。
- IT系の保有資格:AWS認定(CPP、SAA、DVA、SOA、SAP、DOP(New!)、基本情報技術者
- 経歴:SE 2年目
- AWS使用歴:システム構成の検討を3ヶ月ほど
- 受験区分:DOP-C01
- 勉強期間:1ヶ月半(64時間)
- 試験対策:Udemy教材、AWS WEB問題集など
本記事では、DOP-C01の概要と合格するための試験対策、勉強時間などをお伝えします。
これからDOP試験を受ける方の参考になれば幸いです。
2023年3月8日より、旧試験(C01)から新試験(C02)へと変更されました。
本記事ではC02の試験範囲などについてご紹介します。
ただ私が受験したのはC01形式の試験なので、勉強方法や実体験については、C01形式の試験内容となります。
Contents
DevOpsエンジニア プロフェッショナル(DOP)とは?
DOPはプロフェッショナル試験に区分される試験です。
アソシエイト試験のDVA(デベロッパーアソシエイト)、SOA(SysOpsアドミニストレーターアソシエイト)の上位試験にあたります。
AWS 認定 DevOps エンジニア – プロフェッショナルは、AWS プラットフォーム上の分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用、管理に関する技術的専門知識を示し、仲間や関係者、お客様からの信頼と信用を強化するものです。これらの適格なプロフェッショナルがいる組織は、安全でコンプライアンスに準拠した、高い可用性とスケーラビリティを持つシステムを迅速に提供することができます。
AWS認定公式サイトより
難易度は、DOPと同じプロフェッショナル試験であるSAP(ソリューションアーキテクトプロフェッショナル)に比べると易しいという印象でした。
実際に受験してみて感じた難易度は、SAP=ANS > MLS > DOP > DAS > SCS > PAS > DBS > SOA > SAA > DVA > CLFという感じでした。
試験概要
- レベル: プロフェッショナル
- 時間: 180 分
- 受験料: 40,000円(2024/4/1から適用)
- 形式: 選択式問題(75問)
- テスト方法: Pearson VUE を通じたテストセンター
試験時間は180分で、問題数は75問(選択式)です。
SAP試験と比べると、問題文の長さは短めでした。
CloudWatch Event(EventBridge)とCI/CD、Lambdaなどを組み合わせたアーキテクチャに関する問題が特に多かったです。
- CodeCommitへのコミットをCloudWatch Eventのイベントソースとして設定し、CodePipelineをターゲットとしてCI/CDを動作させる。
- CloudWatch EventスケジュールでRDSの定期スナップショットを作成し、
障害発生時にRDSイベントでSNS通知をした後に、Lambdaを起動させる。
以下のサイトでAWS公式が提供しているDOP-C02のサンプル問題を10問解くことができます。
AWS Certified DevOps Engineer – Professional サンプル問題
試験範囲
以下のAWS公式サイトのDOP試験範囲から、ポイントを抜粋します。
AWS Certified DevOps Engineer – Professional
試験前に、以下の要件を満たすことをお勧めします。
- 少なくとも 1 つ以上のハイレベルプログラミング言語でのコード開発、高度に自動化されたインフラストラクチャの構築、およびオペレーティングシステムの管理の経験
→CloudFormation、ElasticBeanstalkの記述方法について理解できること。 - 最新の開発および運用のプロセスと方法論に対する理解
→AutoScalingによる可用性を理解できること。 - AWS で継続的デリバリーのシステムと手法を実装して管理する能力
→CI/CDを活用した構成について理解できること。 - セキュリティ管理、ガバナンスプロセス、コンプライアンス検証の理解、実装、および自動化する能力
→CloudWatchアラーム、Config、SNS通知の構成について理解できること。 - AWS でのモニタリング、メトリクス、ログ記録システムを定義し、デプロイする能力
→CloudWatch Logs、CloudTrailによるモニタリングについて理解できること。
旧形式(C01)と新形式(C02)の違いは?
旧形式(C01)と新形式(C02)の大きな違いは以下の2点です。
DOP-C02の試験範囲サービス
DOP-C02試験範囲は、以下106個のサービスとなっています。
分野 | サービス名 |
分析 | Amazon Athena Amazon EMR Amazon Kinesis Data Firehose Amazon Kinesis Data Streams Amazon OpenSearch Service Amazon QuickSight |
アプリケーション統合 | Amazon AppFlow Amazon EventBridge (Amazon CloudWatch Events) |
コンピューティング | AWS App Runner Amazon EC2 Amazon EC2 Auto Scaling EC2 Image Builder AWS Elastic Beanstalk AWS Serverless Application Repository |
コンテナ | AWS App2Container AWS Copilot Amazon Elastic Container Registry (Amazon ECR) Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) Amazon EKS Distro AWS Fargate Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA) |
データベース | Amazon Aurora Amazon Aurora Serverless v2 AWS Database Migration Service (AWS DMS) Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) Amazon DynamoDB Amazon ElastiCache Amazon MemoryDB for Redis Amazon RDS Amazon Redshift |
デベロッパーツール | AWS Cloud Development Kit (AWS CDK) AWS CloudShell AWS CodeArtifact AWS CodeBuild AWS CodeCommit AWS CodeDeploy Amazon CodeGuru AWS CodePipeline AWS CodeStar AWS Command Line Interface (AWS CLI) AWS Fault Injection Simulator AWS SDK とツール AWS X-Ray |
マネジメントとガバナンス | AWS Auto Scaling AWS CloudFormation AWS CloudTrail Amazon CloudWatch Amazon CloudWatch Logs AWS Compute Optimizer AWS Config AWS Control Tower AWS Health AWS License Manager Amazon Managed Grafana Amazon Managed Service for Prometheus AWS OpsWorks AWS Organizations AWS Personal Health Dashboard AWS Proton AWS Resilience Hub AWS Service Catalog AWS Systems Manager AWS Trusted Advisor |
ネットワークとコンテンツ配信 | Amazon API Gateway AWS Client VPN Amazon CloudFront Elastic Load Balancing (ELB) AWS PrivateLink Amazon Route 53 AWS Site-to-Site VPN AWS Transit Gateway Amazon VPC |
セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス | AWS Certificate Manager (ACM) AWS CloudHSM Amazon Cognito Amazon Detective AWS Directory Service Amazon GuardDuty AWS Identity and Access Management (IAM) Amazon Inspector AWS Key Management Service (AWS KMS) Amazon Macie AWS Network Firewall AWS Resource Access Manager (AWS RAM) AWS Secrets Manager AWS Security Hub AWS Security Token Service (AWS STS) AWS Shield AWS Single Sign-On AWS WAF |
サーバーレス | AWS Lambda AWS Serverless Application Model (AWS SAM) Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) AWS Step Functions |
ストレージ | AWS Backup Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) AWS Elastic Disaster Recovery (CloudEndure Disaster Recovery) Amazon Elastic File System (Amazon EFS) Amazon FSx for Lustre Amazon FSx for NetApp ONTAP Amazon FSx for OpenZFS Amazon FSx for Windows File Server Amazon S3 Amazon S3 Glacier AWS Storage Gateway |
DOP-C02の各分野パーセンテージ
DOP-C02における各分野のパーセンテージは以下のようになっています。
(DOP-C01と比較すると、いくつかの分野の割合が変更され、また各分野の名称が少し変更になっていることが分かります。)
分野 | 新形式(DOP-C02) | 割合 | 新形式(DOP-C01) | 割合 |
第1分野 | SDLC のオートメーション | 22% | SDLC のオートメーション | 22% |
第2分野 | 設定管理と IaC | 17% | 構成管理と Infrastructure as Code | 19% |
第3分野 | 耐障害性の高いクラウドソリューション | 15% | 高可用性、耐障害性、災害対策 | 16% |
第4分野 | モニタリングとロギング | 15% | モニタリングとロギング | 15% |
第5分野 | インシデントとイベントへの対応 | 14% | インシデントとイベントへの対応 | 18% |
第6分野 | セキュリティとコンプライアンス | 17% | ポリシーと標準のオートメーション | 10% |
DOPの勉強時間は?
僕がDOPの学習に使った時間は、 約64時間 でした。
(スマホアプリで勉強時間を測っていました。)
DOPは他の試験と違って、日本語の参考書がありません。
なので64時間のうち半分以上は模擬問題を解くことに費やしました。
学習教材 | 勉強時間の配分 |
Udemy(講義) | 21時間 |
Udemy(問題集) | 6時間 |
Web問題集 | 34時間 |
メモ帳整理&確認 | 3時間 |
合計 | 64時間 |
DOPの勉強方法
2023年3月時点では、DOPには日本版の参考書が存在しません。
なのでDOP用の学習においては、Udemyの英語講座やWeb問題集でひたすら問題を解くという勉強方法を実施しました。
以下では具体的に使用した参考書や、勉強方法をご紹介します。
- Udemy教材を活用
(英語版のみ)
- AWS WEB問題集を解く
- AWS Skill Builderの模擬問題を活用
Udemy教材を活用
Udemyで以下2つの教材を活用しました。
Udemyは月に2,3度セールがあり、その時期は1,500円〜2,000円ほどで購入可能なので、セールのタイミングを狙って購入することをオススメします。
SAPで出題される各サービス概要を網羅的に学ぶことができる講座です。
サービス数が非常に多いにも関わらず、重要ポイントが簡潔にまとめられおり、
15時間の動画にSAP合格のためのエッセンスがぎゅっと凝縮されています。
ただ残念ながら、こちらの教材は英語音声のみです(字幕は日本語あり)。
スライドは図が非常に多く、字幕を日本語に設定できるため、英語に苦手意識がない方は受講してみると良いと思います。
DOPの模擬問題を75問解くことができます。
こちらの教材も英語の問題集ですが、Chromeの日本語翻訳機能を使えば、
日本語で問題を解いて解説を見ることができます。
(日本語が不自然に翻訳されることもありますが、本番の問題でも不自然な日本語は多々あるので、良い練習だと思って解いてみてください。)
↓↓
- UdemyのDOP対策講座は英語版のみ
(英語の問題集は、Chromeで日本語翻訳をすると学習しやすいのでオススメ。) - 出題範囲のサービスの重要ポイントが網羅されている
- セール中に購入すれば、1500円ほどで購入可能
AWS WEB問題集を解く
TechStockというサイトでは、DOPの模擬問題を440問以上解くことができます
TechStock|AWS WEB問題集で学習しよう
有料ではありますが、問題数が多く問題自体の質と解説のクオリティも高いため、合格に向けた事前学習には欠かせないと思います。
DOPだけでなくその他のAWS試験においても最も有効な学習方法です。
プロフェッショナル試験(SAP, DOP)の問題は、4,580円(税込)で90日間の利用が可能です(2023.8.18時点の料金)。
- DOPの模擬問題は440問以上
- DOPの問題を解くためには、プロフェッショナルプラン加入が必要
AWS Skill Builderの模擬問題を活用
AWS Skill BuilderでDOP-C02用の問題(20問)を無料で解くことができます。
AWS Certified DevOps Engineer – Professional 公式練習問題集
問題数は少ないですが、公式の模擬問題なので質は高く、解く価値はありです!
- 新形式(DOP-C02)の模擬問題を20問解くことができる
- 無料で利用可能
DOPを取得すると何が良いの?
DevOpsエンジニアプロフェッショナルの資格を取得することで、どのような良いことがあるのでしょうか。
AWSの運用面での知識を証明できる
AWS公式試験ドキュメントにも記載されていますが、以下のように記載されています。
これらの適格なプロフェッショナルがいる組織は、安全でコンプライアンスに準拠した、高い可用性とスケーラビリティを持つシステムを迅速に提供することができます。
AWS公式ドキュメントより抜粋
エンジニアには、新しいシステムを構築するスキルだけでなく、
今あるシステムを如何に安全に、効率的に運用できるかというスキルも求められます。
実際にAWS導入した後の運用においても、AutoScalingを用いた拡張性・可用性の向上や、
Config、CloudTrail、CloudWatchによるルール逸脱防止やログ監視といった安全面の向上など、現状のシステムを円滑に運用する必要があります。
DOPを取得することで、上記のようなAWSの運用面での知識を持っていることの証明になります。
また僕が会社でAWS構成検討をおこなった際に感じたことですが、構成検討というとソリューションアーキテクトの知識だけあればいいと最初は思っていましたが、構成検討の段階でも運用面の考慮は欠かすことができませんでした。
なのでAWS関係の知識を持っていることを強みとしたいのなれば、アーキテクトとDevOpsエンジニア両方の知識を持っていることが望ましいと考えられます。
両方の知識を持っていることでAWS活用シーンにおいて重宝される人材となるでしょう。
AWS関係のプロジェクトに割り当ててもらいやすくなる
DOP資格を持っていることで、上記に書いたようにAWSの運用する上での必要知識が備わっていることを証明できるので、AWSの仕事を割り当ててもらいやすくなります
。
もし今あなたが、AWS関係の仕事に従事したいと思っているのであれば、DOPの資格取得は絶対に役立つはずなので、希望を叶えるためにも資格取得は目指す価値ありです。
まとめ
AWS認定のプロフェッショナル試験であるDOPですが、SAPと比べると難易度はそんなに高くないという印象でした。
ただDOPを受験する前には、DOPに関連したアソシエイト試験であるDVAとSOAを事前に取得しておくことをお勧めします。
もしまだDVAとSOAを取得していないという方は、以下の記事でそれらの試験についての概要、対策などについてもまとめているので是非参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。