どうも。くれとむです。
2023年1月21日にAWS認定ソリューションアーキテクトプロフェショナル(SAP-C02)にスコア755点で合格しました。
- IT系の保有資格:AWS認定(CPP、SAA、DVA、SOA、SAP(New!)、基本情報技術者
- 経歴:SE 2年目
- AWS使用歴:システム構成の検討を3ヶ月ほど
SAPの新形式であるC02は、2022/11/15から適用されたので、
2023年3月時点ではあまり新形式用の教材や問題集は揃っていません。
しかしUdemyやBlackBeltの動画を活用することで新形式でも合格は可能です。
- 受験区分:SAP-C02
- 勉強期間:2ヶ月(114時間)
- 試験対策:参考書、Udemy教材、AWS WEB問題集、AWS Blackbeltの活用など
本記事では、SAP-C02の概要と合格するための試験対策、勉強時間などをお伝えします。
これからSAP試験を受ける方の参考になれば幸いです。
Contents
ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP)とは?
AWS Solution Architect Professional(SAP)は、AWSサービスを深く理解し、クラウドアーキテクチャのベストプラクティスを理解していることが求められます。
AWSの専門的な知識とスキルを持つエキスパートであることを証明することができます。
AWSを活用したビジネスの立ち上げや、改修業務を行える人材だという
証明になるということだね。
そうだね。ただ他のAWS認定と比べても、SAPは一番難しかったよ。
勉強時間はしっかり確保しなきゃだね。
SAPはAWS認定試験の中でも最難関と言われています。
実際に受験してみて感じた難易度は、SAP=ANS > MLS > DOP > DAS > SCS > PAS > DBS > SOA > SAA > DVA > CLFという感じでした。
難しく感じた理由は、出題範囲のサービス数が多かったことと、問題が長文で理解するのが難しかったこと、75問解くための集中力を持続させるのが難しかったことです。
例えば、公式の例題では、以下のような問題が取り挙げられていました。
4) ある会社が、Amazon API Gateway、AWS Lambda 関数、Amazon Cognito、Amazon DynamoDB を 使用するサーバーレスモバイルアプリケーションを実行しています。トラフィックが急増すると、ユーザーか ら、断続的にシステム障害が発生しているとの報告があります。API Gateway API エンドポイントが、 有効なリクエストに対して HTTP ステータスコード 502 (Bad Gateway) エラーを返しています。この問題を解決するソリューションはどれですか。
- A) Lambda 関数の同時実行クォータを増やす。ConcurrentExecutions メトリクスがクォータに近づいた ときに通知アラートを送信するように Amazon CloudWatch を設定する。
- B) API Gateway API エンドポイントの 1 秒あたりのトランザクションクォータに関する通知アラートを 設定する。クォータに達したときにクォータを増やす Lambda 関数を作成する。
- C) 複数の AWS リージョンの Amazon Cognito ユーザープールにユーザーをシャーディングして、 ユーザー認証のレイテンシーを低減する。
- D) DynamoDB の強力な整合性のある読み込みを使用して、クライアントアプリケーションが常に最新の データを受信できるようにする。
AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02)試験問題サンプルより抜粋
正解 A)
Amazon API Gateway は、AWS Lambda 関数が同時実行クォータを超えると、HTTP ステータスコード 502 (Bad Gateway) エラーを断続的に返します。この場合、API Gateway はリクエストが多すぎるとステータ スコード 429 エラーを返すため、オプション B は正しくありません。エラーは認証プロセス中ではなく、 API Gateway API エンドポイントの呼び出し中に発生するため、オプション C は正しくありません。 古いデータによって Bad Gateway エラーは発生しないため、オプション D は正しくありません。
練習問題をたくさん解いていれば、パッとみて解ける問題もありました。一方で、この問題よりも文量がある問題もありました。
試験時間が3時間ある中で、集中力を持続させつつ、長文問題を理解して解いていくのは中々骨が折れました。
試験概要
- レベル: プロフェッショナル
- 時間: 180 分
- 受験料: 40,000円(2024/4/1から適用)
- 形式: 選択式問題(75問)
- テスト方法: Pearson VUE を通じたテストセンターまたはオンライン監督付き試験
試験時間は180分で、問題数は75問です。
また問題の選択肢には、要件を満たすものが複数含まれており、その中から「コスト効率が最も良い」、「性能を最大限にする」などのキーワードから最適解を選択する必要があります。
- コスト効率を重視の場合:RDSの障害復旧にはスナップショットからリソースを再作成して復旧する。
- 性能を重視の場合 :RDSの障害復旧には別リージョンに作成したリードレプリカを、Lambdaを用いてプライマリにして復旧する。
他のAWS認定試験にも共通することですが、Web問題集や模擬問題からの類似問題が多いので、
試験勉強ではとにかく問題を解いて解いて解きまくって、問題のパターンを覚えるのが一番の合格への近道だと思います。
試験範囲
以下のAWS公式サイトのSAP試験範囲から、ポイントを抜粋します。
AWS Certified Solutions Architect – Professional
試験範囲はAWSに存在するほぼ全てのサービス(158個)です。
各分野のパーセンテージは以下のようになっています。
第1分野 | 複雑な組織に対応するソリューションの設計 | 26% |
第2分野 | 新しいソリューションのための設計 | 29% |
第3分野 | 既存のソリューションの継続的な改善 | 25% |
第4分野 | ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速 | 20% |
試験前に、以下の要件を満たすことをお勧めします。
- AWS CLI、AWS API、AWS CloudFormation テンプレート、AWS 請求コンソール、AWS マネジメントコンソール、スクリプティング言語、および Windows と Linux 環境についての知識
→SSM、CloudFormationのスタックセットなどについて理解しておく。 - エンタープライズの複数のアプリケーションやプロジェクトのアーキテクチャ設計に対し、ベストプラクティスガイダンスを提供する能力、およびビジネスの目標をアプリケーション/アーキテクチャ要件に関連付ける能力
→AWS Organizations、SCP、ServiceCatalog、KinesisとLambdaを組み合わせたアーキテクチャの実装などについて理解しておく。 - クラウドアプリケーション要件を評価し、AWS でアプリケーションの実装、デプロイ、プロビジョニングを行うためのアーキテクチャを提案する能力
→CloudFormationやAutoScaling、RDS、DynamoDBについて理解しておく。 - 主要な AWS テクノロジー (VPN、AWS Direct Connect など) や継続的なインテグレーション、デプロイプロセスを使用して、ハイブリッドアーキテクチャを設計する能力
→AWSサービスとオンプレミスを接続する通信方式、VPC間の接続方式について理解しておく。
試験のガイドラインには、「AWS でのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイにおいて 2 年以上の実践的な経験を持つ個人を対象とするものです。」との記載がありますが、2年以上の実務経験がなくても受験可能です。
ちなみにAWSは個人で気軽に使うこともできるので、実際に触ってみることもオススメです。
実際にAWSでChatGPTとVOICEVOXを連携したアレクサのカスタムスキルを作成してみました。
EC2はインスタンスタイプによって個人で使えるものもたくさんあり、性能の高いCPU等を気軽に使えるのがいいなと思いました。
旧形式(C01)と新形式(C02)の違いは?
試験範囲のAWSサービスが100から158に増加したというのが大きな違いです。
具体的には、IoT関係のサービス(AWS IoT Analytics、AWS IoT Core)やCodeシリーズのサービス(AWS CodeArtifact、Amazon CodeGuru、AWS CodeStar、AWS X-Ray)などの追加が挙げられます。
試験範囲のサービスについては、以下の試験ガイドに記載されています。
AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP-C02) 試験ガイド
SAP-C02の勉強時間は?
SAPの学習に使った時間は、 114時間 でした。
(スマホアプリで勉強時間を測っていました。)
トイレに行くときや休憩するときは小まめにストップウォッチを止めるなどしていたので、
かなり正確な勉強時間だと思います。
勉強時間配分に関しては大体以下の感じです。
問題集を解くのに使った時間が合計勉強時間の半分を占めています。
学習教材 | 勉強時間の配分 |
Udemy(講義) | 17時間 |
Udemy(問題集) | 15時間 |
Web問題集 | 42時間 |
参考書 | 7時間 |
メモ帳整理&確認 | 5時間 |
BlackBelt | 20時間 |
Skill Bilder | 8時間 |
合計 | 114時間 |
SAPの勉強方法
僕が試験勉強で使用したC02用の教材は、Udemyの模擬問題集(英語)、AWS SkillBuilderの模擬問題集のふたつのみです。
新形式で追加されたサービスに関しては、YoutubeのBlackBelt動画でサービスの概要を学んだりしました。
新形式で大幅にサービス追加されたと言えど、具体的なサービスの使い方などが問題に出るわけじゃないので、サービスの概要さえ押さえていれば問題は解けます。
以下では具体的に使用した参考書や、勉強方法をご紹介します。
- SAPの参考書を読む
- Udemy教材を活用
(英語版のみ) - AWS WEB問題集を解く
- YoutubeでAWS BlackBeltの動画視聴
- AWS Skill Builderで問題集を解く
SAPの参考書を読む
旧形式(SAP-C01)の時の参考書ではありますが、主要サービスが簡潔にまとめられています。
これだけで試験に合格することは難しいですが、基礎を固めには非常に有効です。
僕自身はSAP対策としてもまず初めにこの参考書を読みましたが、
この参考書のおかげで、その後のWeb問題集や模擬問題の解説が頭に入ってきやすくなり、
効率的に試験勉強を進められたと思います。
SAP-C02はC01と比べると出題されるAWSサービスの数が大幅に増えていますが、
よく使われるサービス(Direct ConnectやLambdaなど)はC01でもC02でも変わらず出題されると考えられると思います。
実際に僕が受験したC02では、
C01のWeb問題集からの類似問題が多数出題されました。
なので新形式、旧形式といったことを意識して勉強する必要はないくらいだと個人的には思います。
AWSサービスは日々機能更新が行われている(「AutoScalingの起動設定が非推奨となり、起動テンプレートが主流になった。」など)ので、新しい教材を使うに越したことはありませんけどね。
Udemy教材を活用
Udemyで以下2つの教材を活用しました。
Udemyは月に2,3度セールがあり、その時期は2,000円〜3,000円ほどで購入可能なので、セールのタイミングを狙って購入することをオススメします。
SAPで出題される各サービス概要を網羅的に学ぶことができる講座です。
サービス数が非常に多いにも関わらず、重要ポイントが簡潔にまとめられおり、
15時間の動画にSAP合格のためのエッセンスがぎゅっと凝縮されています。
ただ残念ながら、こちらの教材は英語音声のみです(字幕は日本語あり)。
スライドは図が非常に多く、字幕を日本語に設定できるため、英語に苦手意識がない方は受講してみると良いと思います。
新形式(SAP-C02)の模擬問題を180問解くことができます。
こちらの教材も英語の問題集ですが、Chromeの日本語翻訳機能を使えば、
日本語で問題を解いて解説を見ることができます。
(日本語が不自然に翻訳されることもありますが、本番の問題でも不自然な日本語は多々あるので、良い練習だと思って解いてみてください。)
↓↓
- UdemyのSAP対策講座は英語版のみ
(英語の問題集は、Chromeで日本語翻訳をすると学習しやすいのでオススメ。) - 出題範囲のサービスの重要ポイントが網羅されている
- セール中に購入すれば、2,000~3,000円ほどで購入可能
AWS WEB問題集を解く
TechStock|AWS WEB問題集で学習しよう
このサイトでは、SAPの模擬問題を500問以上解くことができます。
(僕が試験勉強にWeb問題集を使っていたときは、新形式に変更されたばかりだったため、C02用の問題は追加されていませんでした。)
有料ではありますが、問題数が多く問題自体の質と解説のクオリティも高いため、合格に向けた事前学習には欠かせないと思います。
SAPだけでなくその他のAWS試験においても最も有効な学習方法です。
プロフェッショナル試験(SAP, DOP)の問題は、4,580円(税込)で90日間の利用が可能です。
- SAPの模擬問題は500問以上
- SAPの問題を解くためには、プロフェッショナルプラン加入が必要
YoutubeでAWS BlackBeltの動画をみる。
Youtubeに投稿されているBlackBeltの動画を見ることもおすすめします。
各サービスごとに大体40分くらい動画で要点が分かりやすくまとめられています。
(LambdaやCloudFormationなどの超主要なサービスは他の動画より長い時間で解説されていたりします。)
分かりやすい動画ばかりなので、AWS概要を学ぶにはもってこいです。
僕自身もBlackBeltの動画を見漁りました。
通常速度だと時間がかかりすぎるので、1,25倍〜1,5倍速にして動画視聴していました。
- AWS Service Catalog
- AWS Config
- Amazon Simple Notification Service (SNS)
- AWS Step Functions
- Amazon API Gateway
- Amazon CloudFrontの概要
- Amazon CloudFront deep dive
- AWS Database Migration Service
- AWS Direct Connect
- AWS CodeDeploy
- AWS CodeBuild
- AWS CodeStar & AWS CodePipeline
- AWS IoT Core
- Amazon Route53 Hosted Zone
- Amazon Route53 Resolver
- Amazon Key Management System
- AWS Security Hub
- AWS CloudFormation
- AWS CloudFormation deep dive
- Amazon Kinesis Video Streams
- AWSアカウント シングルサインオンの設計と運用
- AWS Fargate
- Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)
- AWS Site-to-Site VPN
- AWS Glue
- Amazon EMR
- Amazon SageMaker Basic Session
- AWS Lambda Part1
- AWS Lambda Part2
- AWS Lambda Part3
- AWS Lambda Part4
- AWS Systems Manager
- Amazon EventBridge
- AWS Certificate Manager
- AWS Application Migration Service Architecture
- Amazon DocumentDB (with MongoDB Compatibility)
- Amazon Redshift
AWS Skill Builderで問題集を解く
AWS Skill BuilderでSAP-C02用の問題集を解きました。
AWS Certified Solutions Architect – Professional Official Practice Exam (SAP-C02 – Japanese)
この問題集は有料で、$29.00/月で利用することができます。
AWSの公式模擬問題集ということで、質の高い問題が解けます。
正解率も表示されるので、本番の直前に解いて合格できるか否かの目安にするという使い方もありだと思います。
- 新形式(SAP-C02)の模擬問題を75問解くことができる
- $29.00/月で利用可能
自分なりのメモ帳に要点をまとめる
サービス概要や、Web問題集で何回も間違えたところを、
ノートでもメモ帳でもなんでも良いので自分なりにメモしておくことをおすすめします。
自分で書いたものを試験直前に見返すことで、自分がどこでつまづきやすいのか
覚えられないところはどこなのかを再確認することができます。
ちなみに僕は手でノートに書くよりも、パソコンなどのメモ帳に箇条書きする派です。
(手で描くよりも、パソコンで打ち込んだ方が断然早いので。笑)
僕が試験用に作成したメモ帳 → AWS SAP学習メモ.pdf
(人に見せるようじゃないので見づらいですが、こんなやり方もありかなくらいの参考になれば幸いです。笑)
SAPを取得すると何が良いの?
AWSに精通していることの証明になる
SAPはAWS認定試験の中でも最難関の試験と言われています。
試験範囲に関しても、AWSが提供しているほぼ全てのサービスです。
その試験に合格することができれば、AWSに関する知識を豊富に持っているということの証明になり、AWS関係の仕事を任せてもらうきっかけになったり、転職活動でも有効でしょう。
実務に役立つAWSの知識を身につけることができる
プロフェッショナル試験は、複数のサービスを組み合わせたアーキテクチャの実装を理解しておかなければ正解を導き出すことはできないため、自ずとAWSへの深い理解が求められるようになっています。
(アソシエイト試験は、AWSのサービス概要を問うような問題も多かったため、
あまり深い理解がなくても、Web問題集さえ丸暗記してしまえば合格できるという印象でした。)
試験勉強の中で、分からないところを自分で調べるうちに、より実践で役立つAWS知識が身についていたという感覚があります。
まとめ
SAPは試験範囲が非常に広いので、試験合格は簡単ではありませんが、それだけに資格を持っている人も多くないはずなので、合格を目指す価値は大いにあると思います。
本記事がこれからSAPを受験する方にとて少しでもお役に立てば幸いです。
ではでは。
合格点が750点で、僕のスコアが755点だったので、
めちゃめちゃギリギリの合格だったんですけどね。
あと1問間違えていたら、不合格って感じですね。危ない。