コーディングエージェントに「コードを書いて」と指示するのは簡単です。
しかし品質や設計の一貫性を保つとなると、話はまったく別です。
obra/superpowers は、エージェントが起動した瞬間から設計・計画・実装・テスト・レビューの各ステップを自動的に呼び出す「スキル群とワークフロー」を提供するOSSプラグインフレームワークです。
この記事では、superpowersの基本ワークフローの解説と、Claude Codeへの導入方法、実際の使い方をご紹介します。
Contents
Superpowersとは何か?
概要
superpowers は、Claude・Codex・OpenCode などのコーディングエージェントに「スキル」を自動注入するプラグインフレームワークです。
「仕様→計画→実装→検証→レビュー→完了」といったワークフローを守らせるためのスキル集が定義されています。
README の冒頭には次のように記されています。
それは、あなたがコーディングエージェントを起動した瞬間から始まります。エージェントは一歩引いて、あなたが本当に何をしたいのかを尋ねてきます。
エージェントが起動した直後から、設計の確認や計画の明確化を促す仕組みが動き始めます。
これは単に「コードを生成するツール」ではなく、エージェントの実行プロセス全体を標準化するための枠組みと捉えるのが正確です。
- いきなり実装しない(まず要件・設計を固める)
- 計画が「ジュニアでも迷わない」レベルで具体化されている
- TDD(テスト駆動開発)を要求し、「推測で完了宣言」をさせない
- サブエージェント(必要であれば)+レビューで進める(計画準拠→品質のチェック)
基本のワークフロー
以下が基本のワークフローです。
- brainstorming:
実装に入る前に質問で要件を深掘りし、曖昧な要件を先に取り除く。
読みやすい分量で設計を提示して合意し、設計ドキュメントを保存。 - using-git-worktrees:
設計承認後に新ブランチ+ワークツリーで隔離環境を作り、セットアップと「テストがクリーンに通る」ベースライン確認までやる。 - writing-plans:
2~5分粒度のタスクへ分解し、各タスクに「正確なファイルパス」、「具体的コード」、「検証ステップ」を含めたプランを作る。 - subagent-driven-development / executing-plangs:
subagent-driven-development:タスクごとにサブエージェントに作業させ、レビューしながら進める。
executing-plangs:実行+人間のチェックポイントを設ける
(いずれも計画から逸脱しない考え方を重視) - test-driven-development:
RED →(失敗確認) → GREEN → (成功確認) → REFACTORを厳守する。
テストより先に書いた本番コードは削除してやり直す、という考え方が中心。 - requesting-code-review:
実装が「計画通りか」、「品質的に妥当か」を評価し、重大度で分類して進行を制御(クリティカルならブロック)
テスト・設計の原則
superpowersの重要な設計原則は、以下の4つです。
- TDD(RED-GREEN-REFACTOR):先にテストを書いて意図的に失敗させ、その後に実装する
- YAGNI(You Aren’t Gonna Need It):現時点で必要でない機能は実装しない
- DRY(Don’t Repeat Yourself):重複を排除し、単一の信頼できる情報源を維持する
- Systematic over ad-hoc:場当たり的な対応ではなく、体系的なアプローチを優先する

writing-plans でタスクを小さく切ることが品質の鍵です。
エージェントに指示を渡す前に必ず粒度を確認してください。
どうやって使うか
Anthropicのプラグインページでは、基本はスラッシュスキルを呼ぶ流れが例示されています。
- 実行例:/brainstorming
一方で、GitHubのREADMEには、「skills trigger automatically(スキルは自動で発火する)ので特別な操作は不要」とも書かれていて、会話の文脈に応じて自動的に適切なスキルが起動する思想です。

確実にワークフローに沿って進めたいときは、最初に/brainstormingなどを明示するのが安全ということだね。
Claude Codeへの導入手順
インストール
Claude Codeのマーケットプレイス経由が最短ルートです。
claudeコマンドを実行した後のセッション内で以下を実行してください。
/plugin install superpowers@claude-plugins-official
インストールする際は使用するスコープを選べるようになっています。
まずはお試しで使いたい場合は、project scopeでインストールすることをお勧めします。

インストールできたことを確認
claudeのセッション内で以下のコマンドを実行します。
/plugin list
Installedのタブに「superpowers」が表示されていればインストールに成功しています。

使えるスキル一覧の確認
インストール完了後は、まず最初に以下のようなメッセージを実行します。
superpowersで使用可能なスキルは何?
すると、以下のようにsuperpowersで実行可能なスキル一覧が表示されます。

実際に使ってみる

superpowersはユーザーの指示に基づいて必要だと判断したスキルを自動で実行してくれますが、今回は検証も兼ねて手動でいくつかのコマンドを実行してみました。
以下のコマンドを試してみます。
- brainstorming:要件確認をしながらタスクを洗い出し
- writing-plans:タスクを実装するためのプランを作成
- executing-plans:プランに基づきタスクを実行
- requesting-code-review:実行されたタスクが計画に沿っているかを確認
設計(brainstorming)
以下のように指示することでbrainstormingを開始できます(/brainstormingでもOKです)
brainstormingを開始してください。
すると以下のように、早速質問形式でヒアリングが始まります。

これに回答すると、セッションからもbrainstormingのスキルが呼び出されたことが確認できました。

いくつか質問が出されるので、答えていきます。
(5つくらい質問されました)

計画(writing-plans)
brainstormingでタスクの洗い出しができたら、次に/writing-plansを実行します。
これは作業を「2〜5分で終わる小タスク」に分割して、各タスクに検証手順を紐付けることでタスクの成功率を上げる目的で行います。

これが実行された後は、docs配下に以下のような設計のドキュメントが作成されました。
# タイトル提案プロンプト改善 Implementation Plan
> **For agentic workers:** REQUIRED: Use superpowers:subagent-driven-development (if subagents available) or superpowers:executing-plans to implement this plan. Steps use checkbox (`- [ ]`) syntax for tracking.
**Goal:** `suggest_blog_titles` のシステムプロンプトを「編集者」ロールに差し替え、タイトル品質を向上させる
**Architecture:** 変更対象は `openai_client.py` の `suggest_blog_titles` 関数内のシステムプロンプト文字列のみ。API パラメータ・パース処理・エンドポイント・フロントエンドは一切変更しない。テストはプロンプト文字列の内容を検証するユニットテストと、パース処理の既存動作を壊していないことの確認。
・・・
実行(executing-plans)
最後に/executing-plansを実行します。
これはwriting-plansで作成されたplanをもとに、それを実行するフェーズです。

writing-plansでテストに関するプランがあれば、テストを実行しつつ、実装内容に問題がないかどうかを確認しながら実装を進めてくれます。

コードレビュー(requesting-code-review)
プランに沿った実装をしているかどうかを確認します。


ここで、計画外で実装したもの(superpowersを使わずに実装したもの)が削除されてしまう挙動が確認できました
superpowersは計画に沿って進めるという思想が強いので、計画にないコードは削除されてしまう場合があるみたいです。
なのでsuperpowersを使う場合は、一貫して使うを原則としたほうが良さそうです。
またsuperpowersを使って開発をする場合は、新規プロジェクトで一から開発する際に初期導入しておいた方が良さそうです。
(既存開発で途中から含めると、プランの作成+未作成に一貫性が保てなくなってしまい、挙動が安定しなさそう)
使う場合は使う!を徹底することが大事そうだなと感じました。
まとめ
Superpowers は「エージェントに良いコードを書かせる」ための枠組みではなく、「エージェントが良いプロセスで開発を進める」ための枠組みです。
設計・計画・実装・テスト・レビューの各ステップをスキルとして定義し、自動的に呼び出すことでエージェント起因の品質劣化を抑えることを狙っています。
まず取るべきアクションは次の3つです。
- 公式リポジトリ(https://github.com/obra/superpowers)の
using-superpowersドキュメントを読む - 使用中のプラットフォームに合わせて上記のインストールコマンドを実行する
- 新しいセッションを開いて
help me plan this featureを投げ、スキルが自動起動することを確認する
スキルライブラリを skills/ ディレクトリで直接確認すれば、各スキルが何をエージェントに指示しているかが分かる。自分のプロジェクト固有のワークフローをスキルとして追加・共有することも、このフレームワークの設計意図の一つだ。

まずは短い検証を一度回してみるのが失敗しない近道ですね。























エージェントがいきなりコードを書くのではなく、まず仕様を引き出し、設計と小さな実行単位で進めるという考え方が核になっています。